いいたてホーム施設長 三瓶政美(さんぺいまさみ)×asaco(春風実行委員)
今年、東日本大震災から7回目の3月11日を迎えました。2011年当時から今まで春風では毎年できる限りの被災地支援を行ってはいますが、東京と東北の距離感、現地の状況を的確に知ることの難しさにより、実際の復興支援は何がベストなのか、毎年手探りの状態が続いています。そうしている間にも2016年の熊本地震を始め、火山噴火など自然災害が続き、今や日本のどこもが被災地になり得る可能性があります。
「震災は忘れた頃にやってくる」と言います。それでは、忘れなければ起こらないのではないか?そんな言葉のあやを利用して、春風ではもう一度あの時の震災を思い出し、そして学ぶべきことがあるのではないかと考えました。未だに目に見えない放射能問題により様々な憶測を呼んでいる福島から、飯館村・いいたてホーム施設長の三瓶政美さんをお呼びして、当時のお話から今現在のお話までをお伺いしたいと思います。震災が風化しつつある今だからこそ、みなさんと一緒に福島からの声に耳を傾けてみたいと思います。
ーいいたてホームとは?ー
福島県・飯舘村役場前にある特別養護老人ホーム。飯舘村に避難指示が出た4月22日から「全員避難」「分散して避難」「飯館村に留まる」の三択の中から、避難するリスクと避難しないリスクを考え、「避難せずに残る」ことを決めた。当時はネットなどによる風評被害を受けながらも、移動や避難生活による負担により例年と比べて利用者の死が増えるということもなく*、ホームの利用者は現在まで変わらぬ日常を過ごしている。
*避難せざるを得なかったホームの利用者は1年で1.5割ほどだった死亡者が3割ほどに増えている
プロフィール
三瓶 政美(さんぺいまさみ)
1948年12月1日生まれ、69歳。昭和42年4月飯舘村役場入職。税務課、建設課、産業課、水道課を経て平成13年4月いいたて福祉会に出向、理事兼施設長となる。社会福祉法人福島県老人福祉施設協議会 会長、広域社団法人全国老人福祉施設協議会 総務・組織委員会指導監査対応室副委員長、飯舘ライオンズクラブ 会長などを経て、現在、社会福祉法人福島県老人福祉施設協議会 顧問、広域社団法人全国老人福祉施設協議会 介護保険事業等経営委員会委員。
地元地域では芸能保存・盆踊り保存会等事務局員として活動。趣味は剣道(3段)、囲碁(自称アマ2段)。